DTC P0171/25 燃料系(リーン異常)  P0172/26    燃料系(リッチ異常)

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DTC    P0171/25    燃料系(リーン異常)
DTC    P0172/26    燃料系(リッチ異常)

準備品一覧

回路説明

空燃比補正には、短期燃料トリムバンク(以下空燃比F/Bと記す)と長期燃料トリムバンク(以下空燃比F/B学習と記す)の2種類がある。空燃比F/Bとは、理論空燃比を維持するために用いられる空燃比補正で、フューエルインジェクションコンピュータがオキシジェンセンサからの信号を受け取り、現在の空燃比状態が理論空燃比に比べて濃い(以下リッチと記す)状態か、薄い(以下リーンと記す)状態かを判断し、リッチの場合には燃料噴射量を減少し、リーンの場合には燃料噴射量を増加する。空燃比F/B学習とは、空燃比F/B値が長期間断続的に行われた場合、個々のエンジン差(経年変化による性能低下や使用環境の変化等により引き起こされる)に合わせて中心点が変化する。空燃比F/B値と空燃比F/B学習値が両方とも一定値を超えリーンまたはリッチになると、フューエルインジェクションコンピュータはチェックエンジンウォーニングランプを点灯させる。

ダイアグコードP0171/25
P0172/26
DTC検出条件診断条件以下の条件が全て揃った時
エンジン始動後、2分以上経過
エンジン水温が80°C以上
空燃比フィードバック制御中
エンジン回転数が1600 to 4000 rpm
吸気管圧力が約40 kPa以上
吸気管圧力変化量が約3 kPa未満
異常状態P0171/25トータル燃料補正量が極端にリーンの状態
P0172/26トータル燃料補正量が極端にリッチの状態
異常期間約5秒以上
トリップ数2トリップ
検出方法常時モニター
検出に使用するセンサ/構成部品オキシジェンセンサ
バキュームセンサ
ウォータテンパラチャセンサ
不具合箇所インテークシステム
イグニッションシステム
フューエルシステム
排気系統ガス漏れ
ウォータテンパラチャセンサ
バキュームセンサ
バキュームスイッチイングバルブASSY NO.1
フューエルインジェクタASSY
オキシジェンセンサ
ワイヤハーネスまたはコネクター
フューエルインジェクションコンピュータ

回路図

回路図は参照。

点検手順

■ 注 意 ■

  1. キーフリーシステム装着車のフューエルインジェクションコンピュータを交換する場合は、他の車からの流用をせず、必ず新品部品を用いる事。
  2. トラブルシュートを実施する前に、この回路のヒューズを点検すること。

□ 参 考 □GTSを使用して、フリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部を記録してあり、それらの情報がトラブルシュートする際に役立つ。

手順1ダイアグコード読み取り
  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    P0171/25またはP0172/26が出力される
    A
    P0171/25またはP0172/26以外にも、ダイアグコードが出力される
    B
    □ 参 考 □ダイアグコードP0171/25またはP0172/26以外のダイアグコードが出力された場合は、そのダイアグコードを先にトラブルシュートすること。

B
関連するダイアグコードチャートへ (要領は  参照)
A

手順2過去に燃料切れでエンジン停止したことがあるか
  1. 過去に燃料切れによるエンジン停止(ガス欠状態)をしたことがあるか確認する。

    結果 結果
    飛び先
    過去、走行中にガス欠状態になった
    A
    過去、走行中にガス欠状態になっていない
    B

B
手順 3 へ
A
過去の走行中に発生した燃料切れにより、ダイアグコードが記録された 

手順3GTSデータ読み取り(水温)
  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. エンジンを始動し、暖機する。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。:パワートレイン / エンジン / データモニタ / 水温
  5. データモニタを読み取る。

基準85 to 105°C(暖機後、アイドル回転時)


NG
ウォータテンパラチャ センサ交換 (要領は  参照)
OK

手順4GTSデータ読み取り(吸気管圧力)
  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。:パワートレイン / エンジン / データモニタ / 吸気管圧力
  5. データモニタを読み取る。
点検条件基準値
IG ON、エンジン停止80 to 110 kPa
暖機後、アイドル回転時(電気負荷なし)32 to 52 kPa

NG
バキューム センサ交換 (要領は  参照)
OK

手順5GTSデータ読み取り(エバポパージ出力)
  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. エンジンを始動する。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。:パワートレイン / エンジン / データモニタ / エバポパージ出力
  5. データモニタを読み取る。
点検条件基準値
エンジン始動後5分以上経過、2000 rpm時0 to 100%(パージ制御に応じて値が変化)

NG
バキュームスイッチイング バルブASSY NO.1交換 (要領は  参照)
OK

手順6インテークシステム点検
  1. 吸気系の各部(ホース類の外れ、ガスケットからエアーの吸い込み)よりエアーの吸い込みがないことを確認する。(要領は参照)
    基準エアーの吸い込みがない

NG
インテークシステム修理または交換
OK

手順7イグニッションシステム点検
  1. イグニッションシステムの点検を実施する。(要領は参照)

NG
イグニッションシステム修理または交換
OK

手順8排気ガス漏れ点検
  1. 排気管のつなぎ目および各センサの取り付け部から排気漏れがないことを確認する。
    基準排気ガス漏れをしていない

NG
排気ガス漏れ修理
OK

手順9フューエルシステム点検
  1. フューエルシステムの点検を実施する。(要領は参照)

NG
フューエルシステム修理または交換
OK

手順10フューエル インジェクタASSY単体点検
  1. フューエルインジェクタASSYの単体点検を実施する。(要領は参照)

NG
フューエル インジェクタASSY交換 (要領は  参照)
OK

手順11GTSデータ読み取り(FrO2センサ出力電圧)
  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSをONにする。
  4. エンジンを始動し、オキシジェンセンサがフィードバック開始できる温度になるまで暖機する。
  5. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。:パワートレイン / エンジン / データモニタ / FrO2センサ出力電圧
  6. GTSの画面をグラフ表示にする。
  7. 約90秒間2500 rpmで、オキシジェンセンサを暖機する。
  1. アイドル回転時のFrO2センサ出力電圧の数値を読み取る。
    基準0.3 V以下と0.6 V以上の電圧が定期的に出力される
    A280408J01

NG
手順 14 へ
OK

手順12ダイアグコード消去
  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)
  5. IG OFFにして、10秒以上待機する。
次へ

手順13作動確認運転実施
  1. 走行テストを行う。
  2. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    P0171/25またはP0172/26が出力される
    A
    ダイアグコードが出力されない
    B

B
不具合現象シミュレーション方法へ (要領は  参照)
A

手順14オキシジェン センサ単体点検
  1. オキシジェンセンサの単体点検を実施する。(要領は参照)

NG
オキシジェン センサ交換 (要領は  参照)
OK

手順15ワイヤハーネスおよびコネクター点検(フューエルインジェクションコンピュータ - オキシジェンセンサ)

□ 参 考 □ワイヤハーネスおよびコネクターの点検要領および注意事項は参照。

  1. オキシジェンセンサのコネクターを切り離す。
  2. フューエルインジェクションコンピュータのコネクターを切り離す。
  3. 各端子間の抵抗を測定する。(端子配列は参照)

    抵抗値
    点検端子
    点検条件
    基準値
    C28-5(OXH1) - C9-1(HTR-)
    常時
    1 Ω未満
    C28-11(OX) - C9-3(+)
    常時
    1 Ω未満
    C28-33(E2) - C9-4(E)
    常時
    1 Ω未満
    C28-5(OXH1)およびC9-1(HTR-) - 他の端子間およびボデーアース間
    常時
    10 kΩ以上
    C28-11(OX)およびC9-3(+) - 他の端子間およびボデーアース間
    常時
    10 kΩ以上
    C28-33(E2)およびC9-4(E) - 他の端子間およびボデーアース間
    常時
    10 kΩ以上

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順16オキシジェン センサ交換
  1. オキシジェンセンサを交換する。(要領は参照)
次へ

手順17ダイアグコード消去
  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)
  5. IG OFFにして、10秒以上待機する。
次へ

手順18作動確認運転実施
  1. 走行テストを実施する。
  2. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    ダイアグコードが出力されない
    A
    P0171/25またはP0172/26が出力される
    B

B
フューエルインジェクション コンピュータ交換 (要領は  参照)
A
終了 
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