DTC P1399/P1400/P1401/P1402 イオン電流システム タント ムーヴ
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回路説明
イグニッションシステムのイグニッションコイルASSYはイオン電流検出回路を内蔵し、イグニッションシステムの点火状態をイオン電流信号としてフューエルインジェクションコンピュータに出力している。イオン電流検出回路は、スパークプラグの両電極間に電圧を印加し、点火信号(IGT)の立ち上がり時および燃焼室内の火炎発生時に点火2次コイルに流れる微弱電流(イオン電流)を検出する。燃焼室内の火炎には導電性があり、スパークプラグ電極間に火花が存在する時に、点火コイルの2次回路に電流が流れる。この電流を火炎発生状況として検出し、失火状態での電流の未検出、異常出力、回路の断線、短絡による出力異常が発生した場合に、フューエルインジェクションコンピュータは異常と判断し、ダイアグコードを記憶する。
ダイアグコード | P1399/36 P1400/36 P1401/36 P1402/36 | ||
---|---|---|---|
DTC検出条件 | 診断条件 | 以下の条件が全て揃った時 エンジン始動後、10分以上経過 エンジン水温が80°C以上の状態が20秒以上継続 空燃比フィードバック制御中 エンジン回転数が950 to 4500 rpm フューエルカット復帰後2秒以上経過、またはフューエルカット継続中 | |
異常状態 | P1399/36 | 複数気筒で以下のいずれかの状態 イオン波形はりつき(短絡) イオン波形入力なし(断線、失火) | |
P1400/36 P1401/36 P1402/36 | 単一気筒で以下のいずれかの状態 イオン波形はりつき(短絡) イオン波形入力なし(断線、失火) | ||
異常期間 | - | ||
トリップ数 | 2トリップ | ||
検出方法 | 常時モニター | ||
検出に使用するセンサ/構成部品 | イグニッションコイルASSY | ||
不具合箇所 | イグニッションシステム ワイヤハーネスまたはコネクター フューエルインジェクションコンピュータ |
回路図
点検手順
- キーフリーシステム装着車のフューエルインジェクションコンピュータを交換する場合は、他の車からの流用をせず、必ず新品部品を用いること。
- トラブルシュートを実施する前に、この回路のヒューズを点検すること。
□ 参 考 □
- P1400/36が出力する場合は、イグニッションコイルASSY(#1)回路を点検する。
- P1401/36が出力する場合は、イグニッションコイルASSY(#2)回路を点検する。
- P1402/36が出力する場合は、イグニッションコイルASSY(#3)回路を点検する。
- GTSを使用して、フリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録してあり、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。
手順1 | ダイアグコード読み取り |
- DLC3にGTSを接続する。
- IG ONにする。
- GTSをONにする。
- GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)
結果 結果
飛び先
P1399/36、P1400/36、P1401/36、P1402/36が出力される
A
P1399/36、P1400/36、P1401/36、P1402/36以外にも、ダイアグコードが出力される
B
□ 参 考 □ダイアグコードP1399/36、P1400/36、P1401/36、P1402/36以外のダイアグコードが出力された場合は、そのダイアグコードを先にトラブルシュートすること。
B | 関連するダイアグコードチャートへ (要領は 参照) |
A | |
手順2 | イグニッションシステム点検 |
NG | イグニッションシステム修理または交換 |
OK | |
手順3 | ワイヤハーネスおよびコネクター点検(フューエルインジェクションコンピュータ - イグニッションコイルASSY) |
□ 参 考 □ワイヤハーネスおよびコネクターの点検要領および注意事項は参照。
- フューエルインジェクションコンピュータのコネクターを切り離す。
- イグニッションコイルASSYのコネクターを切り離す。
- 各端子間の抵抗を測定する。(端子配列は参照)
#1気筒
抵抗値 点検端子
点検条件
基準値
C27-11(IG1) - C1-3(IGT)
常時
1 Ω未満
C27-21(ICM1) - C1-2(ION)
常時
1 Ω未満
C27-11(IG1)およびC1-3(IGT) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
C27-21(ICM1)およびC1-2(ION) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
#2気筒
抵抗値 点検端子
点検条件
基準値
C27-10(IG2) - C2-3(IGT)
常時
1 Ω未満
C27-20(ICM2) - C2-2(ION)
常時
1 Ω未満
C27-10(IG2)およびC2-3(IGT) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
C27-20(ICM2)およびC2-2(ION) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
#3気筒
抵抗値 点検端子
点検条件
基準値
C27-9(IG3) - C3-3(IGT)
常時
1 Ω未満
C27-19(ICM3) - C3-2(ION)
常時
1 Ω未満
C27-9(IG3)およびC3-3(IGT) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
C27-19(ICM3)およびC3-2(ION) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
NG | ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換 |
OK | |
手順4 | ワイヤハーネスおよびコネクター点検(イグニッションコイルASSY電源回路) |
□ 参 考 □ワイヤハーネスおよびコネクターの点検要領および注意事項は参照。
- イグニッションコイルASSYのコネクターを切り離す。
- IG ONにする。
- 車両側コネクターの電圧を測定する。
#1気筒電圧値 点検端子
点検条件
基準値
C1-1(+) - C1-4(-)
IG ON
11 to 14 V
#2気筒電圧値 点検端子
点検条件
基準値
C2-1(+) - C2-4(-)
IG ON
11 to 14 V
#3気筒電圧値 点検端子
点検条件
基準値
C3-1(+) - C3-4(-)
IG ON
11 to 14 V
イラスト内指示文字 *a
車両ワイヤハーネスコネクター前側
(イグニッションコイルASSY接続コネクター)
*b
#1気筒
*c
#2気筒
*d
#3気筒
NG | ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換(IG2リレー - イグニッションコイルASSY) |
OK | |
手順5 | ワイヤハーネスおよびコネクター点検(イグニッションコイルASSY - ボデーアース) |
□ 参 考 □ワイヤハーネスおよびコネクターの点検要領および注意事項は参照。
- イグニッションコイルASSYのコネクターを切り離す。
- 各端子間の抵抗を測定する。
#1気筒
抵抗値 点検端子
点検条件
基準値
C1-4(-) - ボデーアース
常時
1 Ω未満
#2気筒
抵抗値 点検端子
点検条件
基準値
C2-4(-) - ボデーアース
常時
1 Ω未満
#3気筒
抵抗値 点検端子
点検条件
基準値
C3-4(-) - ボデーアース
常時
1 Ω未満
NG | ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換 |
OK | |
フューエルインジェクション コンピュータ交換 (要領は 参照) |
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