DTC P0705/55 シフトポジション多重/無入力フェイル タント ムーヴ

アトレーワゴン ハイゼットトラック ミライ一ス DTC P0705/55 シフトポジション多重/無入力フェイル

機能説明

ニュートラルスタートスイッチASSYから出力された各ギアポジションの信号を、トランスミッションコントロールコンピュータASSYに入力することにより、シフト位置を検出している。

□ 参 考 □GTSを用いたダイアグコードの読み取りでは、いずれの場合も“P0705 ”が表示されるが、CVTウォーニングランプによるダイアグコード確認では、ランプコードにより次のように不具合事象を識別することができる。

  1. コード55:シフトポジション無入力
  2. コード56:シフトポジション多重入力
DTC NO.
SAE/TCCS
DTC検出条件診断条件
異常状態
異常期間
その他
点検部位
P0705/55IG ON
シフトレバー位置P、R、N、D、S、Bポジションすべての信号がOFF
3秒以上
1トリップ
ワイヤハーネスおよびコネクター
トランスミッションコントロールケーブルASSY
ニュートラルスタートスイッチASSY
トランスミッションコントロールコンピュータASSY
P0705/56IG ON
P、N、R、D、S、Bポジションのうち2つ以上の信号が同時にON
(ただし、DとS、PとNの多重入力は検出しない)
2秒以上
1トリップ
ワイヤハーネスおよびコネクター
トランスミッションコントロールケーブルASSY
ニュートラルスタートスイッチASSY
トランスミッションコントロールコンピュータASSY

回路図

C262363J01

□ 参 考 □トランスミッションコントロールコンピュータASSY電源系回路図は参照。

点検手順

■ 注 意 ■トラブルシュートを実施する前に、この回路のヒューズを点検すること。

手順1GTSデータ読み取り(シフトポジションP·R·N·D·S·B)
  1. GTSをDLC3に接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSを使用して、画面表示に従って[データモニタ]画面を表示させ、コンピュータデータを点検する。

    [診断メニュー画面:パワートレイン→CVT→データモニタ] 項目名
    項目説明
    表示範囲
    標準値
    備考
    (異常時の点検項目)
    Pレンジスイッチ
    Pポジションを表す
    表示範囲:ON/OFF
    OFF → ON:
    Pポジション以外→Pポジション
    異常時はニュートラルスタートスイッチ(NSSP)信号の異常が考えられる
    Rレンジスイッチ
    Rポジションを表す
    表示範囲:ON/OFF
    OFF → ON:
    Rポジション以外→Rポジション
    異常時はニュートラルスタートスイッチ(R)信号の異常が考えられる
    Nレンジスイッチ
    Nポジションを表す
    表示範囲:ON/OFF
    OFF → ON:
    Nポジション以外→Nポジション
    異常時はニュートラルスタートスイッチ(NSSN)信号の異常が考えられる
    Dレンジスイッチ
    Dポジションを表す
    表示範囲:ON/OFF
    OFF → ON:
    Dポジション以外→Dポジション
    異常時はニュートラルスタートスイッチ(NSSD)信号の異常が考えられる
    スポーツドライブスイッチ
    Sポジションを表す
    表示範囲:ON/OFF
    OFF → ON:
    Sポジション以外→Sポジション
    異常時はニュートラルスタートスイッチ(SD)信号の異常が考えられる
    Bレンジスイッチ
    Bポジションを表す
    表示範囲:ON/OFF
    OFF → ON:
    Bポジション以外→Bポジション
    異常時はニュートラルスタートスイッチ(NSSB)信号の異常が考えられる
結果飛び先
データモニタの値が標準値外A
データモニタの値が標準値内B

B
常時発生しない問題の点検 (要領は  参照)
A

手順2トランスミッション コントロールケーブルASSY点検
  1. トランスミッションコントロールケーブルASSY点検。(要領は参照)

NG
トランスミッション コントロールケーブルASSY調整 (要領は  参照)
OK

手順3ニュートラルスタート スイッチASSY点検
  1. ニュートラルスタートスイッチASSY点検。(要領は参照)

NG
ニュートラルスタート スイッチASSY調整 (要領は  参照)
OK

手順4ワイヤハーネスおよびコネクター点検(電源系統)

□ 参 考 □点検要領および注意事項は参照。

  1. ニュートラルスタートスイッチASSYのコネクターC24を切り離す。
  2. 下表に従って、電圧を測定する。
    電圧値点検端子
    点検条件
    基準値
    C24-5 (+) - ボデーアース
    IG OFF
    1 V未満
    IG ON
    11 to 14 V
*a車両ワイヤハーネスコネクター前側
(ニュートラルスタートスイッチASSY接続コネクター)
  1. ニュートラルスタートスイッチASSYのコネクターC24を接続する。

NG
電源系統点検(ニュートラルスタートスイッチ電源)
OK

手順5ニュートラルスタート スイッチASSY単体点検
  1. ニュートラルスタートスイッチASSYのコネクターC24を切り離す。
  2. 下表に従って、抵抗を測定する。
    抵抗値(断線点検)点検端子
    点検条件
    基準値
    C24-4 (P) - C24-8 (E)
    Pポジション
    1 Ω未満
    Pポジション以外
    10 kΩ以上
    C24-2 (-) - C24-5 (+)
    Rポジション
    1 Ω未満
    Rポジション以外
    10 kΩ以上
    C24-1 (N) - C24-8 (E)
    Nポジション
    1 Ω未満
    Nポジション以外
    10 kΩ以上
    C24-6 (D) - C24-8 (E)
    Dポジション
    1 Ω未満
    Dポジション以外
    10 kΩ以上
    C24-3 (2) - C24-8 (E)
    Sポジション
    1 Ω未満
    Sポジション以外
    10 kΩ以上
    C24-7 (L) - C24-8 (E)
    Bポジション
    1 Ω未満
    Bポジション以外
    10 kΩ以上
    イラスト内指示文字 *a
    コネクター非接続状態
    (ニュートラルスタートスイッチASSY)
  3. ニュートラルスタートスイッチASSYのコネクターC24を接続する。

NG
ニュートラルスタート スイッチASSY交換 (要領は  参照)
OK

手順6ワイヤハーネスおよびコネクター点検(トランスミッションコントロール コンピュータASSY - ニュートラルスタートスイッチASSYおよびボデーアース)

□ 参 考 □点検要領および注意事項は参照。

  1. ニュートラルスタートスイッチASSYのコネクターC24を切り離す。
  2. トランスミッションコントロールコンピュータASSYのコネクターC29およびB25を切り離す。
  3. 下表に従って、抵抗を測定する。(端子配列は参照)
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    B25-30 (R) - C24-2 (-)
    常時
    1 Ω未満
    C29-9 (NSSP) - C24-4 (P)
    常時
    1 Ω未満
    C29-21 (NSSN) - C24-1 (N)
    常時
    1 Ω未満
    C29-20 (NSSD) - C24-6 (D)
    常時
    1 Ω未満
    C29-10 (SD) - C24-3 (2)
    常時
    1 Ω未満
    C29-8 (NSSB) - C24-7 (L)
    常時
    1 Ω未満
    C24-8 (E) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
    B25-14 (E1) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
  4. トランスミッションコントロールコンピュータASSYのコネクターC29およびB25を接続する。
  5. ニュートラルスタートスイッチASSYのコネクターC24を接続する。

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順7トランスミッションコントロール コンピュータASSY点検(電源およびアース回路)

□ 参 考 □トランスミッションコントロールコンピュータASSY電源系回路図は参照。

  1. トランスミッションコントロールコンピュータASSY のコネクター接続状態を確認する。
  2. トランスミッションコントロールコンピュータASSY のコネクターB25を切り離す。
  3. 下表に従って、電圧を測定する。(端子配列は参照)
    電圧値点検端子
    点検条件
    基準値
    B25-7 (BIN) - ボデーアース
    常時
    11 to 14 V
    B25-3 (+B) - ボデーアース
    IG ON
    11 to 14 V
    B25-32 (ACC) - ボデーアース
    ACC ON
    11 to 14 V
  4. 下表に従って、抵抗を測定する。(端子配列は参照)
    抵抗値(断線点検)点検端子
    点検条件
    基準値
    B25-14 (E1) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
    B25-2 (E01) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
    B25-1 (EBBC) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
  5. トランスミッションコントロールコンピュータASSY のコネクターB25を接続する。

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順8トランスミッションコントロール コンピュータASSY交換
  1. トランスミッションコントロールコンピュータASSY交換。(要領は参照)
次へ

手順9GTS(ストップ&スタートシステム初期学習)

■ 注 意 ■トランスミッションコントロールコンピュータASSYを交換した場合、ストップ&スタートシステムの初期学習を実施する。

  1. GTSを使用して、ストップ&スタートシステム初期学習をおこなう。(要領は参照)
次へ

手順10GTS(CVT学習値初期化、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習)

■ 注 意 ■

  1. 学習値の初期化を行うと、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習の両方の学習値がクリアされてしまうため、下記の表にある部品交換時には、CVT学習値初期化を行った後、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習の両方を必ず実施する。
    交換部品
    1. コンティニュアスリバリアブル トランスアクスルASSY
    2. トランスミッションコントロールコンピュータASSY
    3. トランスミッション バルブ ボデーASSY
    4. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.4(DS1ソレノイド)
    5. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.4(DS2ソレノイド)
    6. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.1(DSUソレノイド)
    7. オイルプレッシャセンサ
  1. GTSを使用して、CVT学習値初期化、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習をおこなう。(要領は参照)
  2. 再度ダイアグコードの確認をおこなう。(要領は参照)
次へ
終了 
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