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インバータは、HVバッテリーの高圧直流をモータ/ジェネレータ用の交流に変換する過程で発熱する。このため、インバータは、電動ウォータポンプ、ファンおよびラジエータで構成される専用の冷却システムによって冷却される。この冷却システムはエンジンの冷却システムとは独立している。パワーマネジメントコントロールコンピュータ(HV機能)は、電動ウォータポンプ、ファンおよび冷却システムを監視して異常を検出する。
DTC No. 詳細情報番号 DTC検出条件 点検部位 P0A93 346 インバータ冷却系(HV冷却水関係異常) インバータ冷却システム インバータウォータポンプASSY(モータツキ) インバータASSY(コンバータツキ) クーリングファンシステム
点検手順
■ 警 告 ■
高電圧系統の点検または、インバータASSY(コンバータツキ)の低圧コネクターを切り離す作業を行う場合は、絶縁手袋の着用ならびサービスプラググリップの取りはずしなど感電防止措置を確実に実施する。また、取りはずしたサービスプラググリップは、作業中に他のエンジニアが誤って取り付けることがないようにポケットに入れて携帯する。
サービスプラググリップを取りはずしてから高電圧のコネクターおよび端子に触れるまでに10分間の時間を確保する。10分間待機後、インバータASSY(コンバータツキ)の検電箇所にてゼロボルト確認作業を行う。
■ 注 意 ■DTC P0A78-284、286、P0A7A-322、324、P0A94-553、557が検出されていた場合、本点検終了後、インバータASSY(コンバータツキ)を必ず交換する。 □ 参 考 □10分間はインバータASSY(コンバータツキ)内の高電圧コンデンサに蓄えられた電気を放電するための時間である。
SST09991-70201
SST(TaSCAN)をDLC3に接続する。
IG ONにする。
SST(TaSCAN)を使用して、以下のメニュー項目を選択する。: 診断/パワトレ/ HV /ダイアグコード フリーズデータ
HVのダイアグコードが出力されているか確認する。 結果結果 飛び先 P0A93-346のみ出力 A 下表に示すダイアグコードを同時に出力 B DTC No. 関連ダイアグ P0A02-719 HV冷却水温センサ結線異常(Low) P0A03-720 HV冷却水温センサ結線異常(High) P0C73-776 インバータW/Pシステム異常(回転数異常/問欠停止異常) P314A-828 インバータW/P結線異常 □ 参 考 □上記ダイアグコードを出力する不具合が原因でP0A93-346が出力されることがある。この場合、上記ダイアグコードのうち出力されたものを先に点検する。その後、再現試験を行いダイアグコードが出力されないことを確認する。
IG OFFにする。
A
手順2 コネクター接続状態点検(インバータASSY(コンバータツキ)低圧コネクター)
■ 警 告 ■絶縁手袋を着用して作業を行う。
サービスプラググ リップがはずれていることを確認する。 ■ 注 意 ■サービスプラググリップを取りはずした状態でREADY ONにすると、不具合が発生する可能性があるため絶対にREADY ONを行わない。
■ 注 意 ■
コネクターを切り離す前に、ロックのツメが浮いていないことおよびコネクターを引っ張り抜けないことを確認する。
インバータASSY(コンバータツキ)の低圧コネクター接続状態を点検する。 基準コネクターのかん合に緩みおよび接触不良がない □ 参 考 □コネクター接続時は、ロックレバーを上げた状態で奥まで差し込み、ロック音がするまで確実にロックレバーを倒す。接続後、ロックのツメが浮いてないことおよびコネクターを引っ張り抜けないことを確認する。
NG確実に接続する
OK
リザーブタンクASSYにLowレベル以上冷却水が入っていることを確認する。
冷却水漏れがないことを点検する。 結果 結果 飛び先 水漏れなし、リザーブタンクASSYにLowレベル以上冷却水が残っている A 水漏れなし、リザーブタンクASSY内が空 B 水漏れあり C □ 参 考 □水漏れ修理および冷却水補充後、HVのアクティブテスト“ウォータポンプ”およびTCCSのアクティブテスト“電動ファン”を実施し、異常がないことを確認する。
B冷却水補充 C冷却水漏れ修理および冷却水補充
A
冷却系ホースが折れ曲がっていないか、または、閉塞していないか点検する。
NG正常な状態になおす
OK
手順5 TaSCANアクティブテスト実施(電動ファン)
SST09991-70201
SST(TaSCAN)をDLC3に接続する。
IG ONにする。
SST(TaSCAN)を使用して、以下のメニュー項目を選択する。:診断/パワトレ/TCCS/アクティブテスト/電動ファン
アクティブテストを実施する。 基準クーリングファンが回転する
IG OFFにする。
OK
SST09991-70201
エンジン停止後、1時間以上放置する。
SST(TaSCAN)をDLC3に接続する。
IG ONにする。
SST(TaSCAN)を使用して、以下のメニュー項目を選択する。: 診断/パワトレ/ HV / ECUデータモニター
ECUデータモニターの“インバータ冷却水温”、“(Fr)モータ用インバータ温度”、“コンバータ上アーム温度”、“コンバータ下アーム温度”、“ジェネレータ用インバータ温度”を選択する。
ECUデータモニターを読み取る。 結果 結果 飛び先 “インバータ冷却水温”と、その他のデータモニター項目の温度表示差が20°C未満 A “インバータ冷却水温”が、その他のデータモニター項目の温度表示より20°C以上高く表示される B ■ 注 意 ■“(Fr)モータ用インバータ温度”、“コンバータ上アーム温度”、“コンバータ下アーム温度”および“ジェネレータ用インバータ温度”の低温は15°Cまでしか表示できないが、“インバータ冷却水温”は-50°Cまで表示可能である。よって低温時は“インバータ冷却水温”のみが低く表示されるが異常ではない。
IG OFFにする。
A
SST09991-70201
SST(TaSCAN)をDLC3に接続する。
IG ON にして、SST(TaSCAN) の画面表示に従ってフリーズフレーム データの“外気温(AMTM)”を読み取る。
フリーズフレームデータ“外気温(AMTM)”が凍結温度以下になっていないか確認する。 結果結果 飛び先 外気温(AMTM)がLLC凍結温度以下 A 外気温(AMTM)がLLC凍結温度より高い B □ 参 考 □
LLC濃度30%では-15°Cで凍結、LLC濃度50%では-35°Cで凍結する。
LLCが凍結するとLLCが循環しないためインバータASSY(コンバータツキ)内の水温が上昇し、ダイアグを検出する場合がある。
LLC凍結によりウォータポンプが回転できない場合もダイアグを検出する。
LLC凍結によりダイアグ検出した場合は、不具合が再現しないため、LLCの交換履歴およびダイアグ検出時の外気温度から凍結の有無を判断する。
IG OFFにする。
A
適切な濃度のLLCと交換する。(要領は 参照)
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手順9 インバータウォータポンプASSY(モータツキ)点検
走行テストを実施し、ダイアグコードが入力しないことを確認する。 結果ダイアグコードが入力しない。
OK 終了
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