DTC C1214/62 油圧系異常 エスクァイア エスティマ ヤリス

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スキッドコントロールコンピュータは、ハイブリッドコントロールシステムの回生制動と協調して制動力を制御するため、ホイールシリンダ圧センサで各ホイールシリンダの作動液圧を入力している。

下記いづれかの症状によりダイアグノーシスコードを記憶する場合がある。

  1. ブレーキフルード漏れ
  2. ブレーキディスクロータの偏磨耗によるホイールシリンダ圧の振動
  3. ソレノイドバルブ内への異物の混入
  4. エア抜き中のライン圧低下
  5. ブレーキパッド交換
  6. ブレーキディスクロータ交換
    □ 参 考 □ブレーキパッドを交換する際、ブレーキキャリパのピストンを押し込んで新しいブレーキパッドを取り付けるとブレーキパッドとブレーキディスクの間に大きなすき間ができ、ブレーキペダルを踏み込んだ時にこれらのダイアグノーシスコードを記憶する原因となる。この場合は不具合ではないので、ダイアグノーシスコードを消去すること。
ダイアグコード詳細コード検出条件不具合箇所
C1214/62431油圧制御性能が著しく低下した(増圧異常)ブレーキフルード漏れ
ブレーキディスクロータ偏磨耗
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)
432油圧制御性能が著しく低下した(減圧異常)ブレーキフルード漏れ
ブレーキディスクロータ偏磨耗
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)
433SLA弁に漏れ等の異常が発生ブレーキフルード漏れ
ブレーキディスクロータ偏磨耗
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)
434
435
SLR弁に漏れ等の異常が発生ブレーキフルード漏れ
ブレーキディスクロータ偏磨耗
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)
436
437
油圧制御性能が著しく低下したブレーキフルード漏れ
ブレーキディスクロータ偏磨耗
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)
438連通弁に漏れ等の異常が発生ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)
ダイアグコードブレーキウォーニングランプ(黄)表示コードABSウォーニングランプ表示コードスリップインジケータランプ表示コード
C1214624245

点検手順

■ 注 意 ■ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)交換後は、ヨーレートセンサ&Gセンサ0点取得、リニア弁オフセット学習および緊急ブレーキシグナル学習を実施する。(要領は

参照)

手順1ダイアグノーシスコード出力確認

SST09991-70201  

  1. SST(TaSCAN)を使用して、ダイアグノーシスコードを確認する。(要領は参照)

    結果
    結果
    飛び先
    C1214/62のみ出力
    A
    ホイールシリンダ圧センサ系統異常コードが同時に出力
    B

B
該当ダイアグノーシスコードへ (要領は  参照)
A

手順2問診およびフリーズフレームデータ確認

SST09991-70201  

  1. 問診により、ブレーキウォーニングランプ(黄)点灯時の走行、制動状況を確認する。(要領は参照)
  2. SST(TaSCAN)を使用して、ダイアグノーシスコード記憶時のシフト位置、車両スピード、ヨーレートセンサ、ステアリングセンサ、各圧力センサのフリーズフレームデータを確認する。(要領は参照)
    □ 参 考 □
    1. フリーズフレームデータは、ダイアグノーシスコード記憶時のデータを一回のみ記憶する。
    2. 他ダイアグノーシスコードが出力している場合は該当箇所を修理し、問診または問診をもとに不具合再現(コード再発生)を行い、ダイアグノーシスコードを記憶した時の走行および制動状況を把握する。
次へ

手順3フルード漏れ点検
  1. ブレーキアクチュエータから、4輪のホイールシリンダまでのブレーキラインに、フルード漏れがないことを点検する。
  2. ブレーキに引きずりがないことを点検する。
    基準フルード漏れ、引きずりがない

NG
該当箇所修理
OK

手順4ブレーキ系統エア抜き

SST09991-70201  

  1. SST(TaSCAN)を使用して、ダイアグノーシスコードを消去する。(要領は参照)
  2. "ブレーキシステムエア抜き"を実施する。(要領は参照)
次へ

手順5ブレーキブースタASSY(マスタシリンダ ツキ)点検(アクチュエータ側)
  1. コネクターにかん合のゆるみ、抜けなどの不具合がないことを点検する。
  2. IG OFFから2分間経過後、スキッドコントロールコンピュータのコネクターを切り離す。
  3. コネクターケースおよび端子に、変形および腐食がないことを点検する。
    基準変形および腐食がない

NG
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダ ツキ)交換 (要領は  参照)
OK

手順6ワイヤハーネスおよびコネクター点検(車両側)

SST09082-00030  
09083-00170  

  1. SST(トヨタエレクトリカルテスター)を使用して、スキッドコントロールコンピュータのワイヤーハーネスコネクターの各端子とボデーアース間の電圧値および抵抗値を点検する。(要領は参照)
    基準電圧値および抵抗値ともすべて正常

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順7ECUデータモニターデータ読み取り(ホイールシリンダ圧センサ)

SST09991-70201  

  1. スキッドコントロールコンピュータへ車両ハーネスコネクターを接続する。
  2. プレッシャーゲージを接続する。
  3. IG ONにする。
  4. SST(TaSCAN)を使用して、各液圧でのホイールシリンダ圧センサのデータモニタ出力値を点検する。

    [システム選択画面:シャシー→ABS·VSC→ECUデータモニター] 項目名
    [記号]
    項目説明/表示範囲
    標準値
    備考
    ホイールシリンダ圧センサ
    [WP]
    ホイールシリンダ圧センサ出力を表す
    表示範囲: 0 to 5V
    ブレーキペダル開放中: 0.1 to 0.9V
    ブレーキペダル操作中: 踏力に比例して変化

    基準値
    フロント右輪ホイールシリンダ圧センサ フロント右輪液圧
    [MPa(kgf·cm2)]
    ホイールシリンダ圧センサ(WP)
    [V]
    2.0(20.4)
    0.53 to 1.33
    5.0(51.0)
    1.12 to 1.92
    7.0(71.4)
    1.52 to 2.32
    10.0(102.0)
    2.14 to 2.94

    フロント左輪ホイールシリンダ圧センサ フロント左輪液圧
    [MPa(kgf·cm2)]
    ホイールシリンダ圧センサ(WP)
    [V]
    2.0(20.4)
    0.53 to 1.33
    5.0(51.0)
    1.12 to 1.92
    7.0(71.4)
    1.52 to 2.32
    10.0(102.0)
    2.14 to 2.94

NG
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダ ツキ)交換 (要領は  参照)
OK

手順8ディスクの偏磨耗点検
  1. IG OFFで、ブレーキペダルストロークセンサのコネクターを切り離す。
  2. フリーズフレームデータまたは問診による不具合発生状況をもとに、走行、制動テストを行い、ディスク偏磨耗によるブレーキライン圧の振動をブレーキペダルの振動により点検する。
    基準制動時にブレーキペダルが振動しない
    □ 参 考 □
    1. 偏磨耗したディスクがピストンを振動させ、ライン圧が振動することによってホイールシリンダ圧センサが異常検知する場合がある。
    2. 電子制御ブレーキシステム制御中は、マスターカットソレノイドによりライン圧が遮断されており、ペダル振動を確認できない。ストロークセンサのコネクター切り離しにより、電子制御ブレーキシステム制御が禁止され、マスターカットソレノイドがOFFされる。(アクティブテストによる電子制御ブレーキシステム制御禁止は、走行中の制御を禁止しない。)
    3. ディスクの肉厚差を測定することにより、ディスクの偏磨耗を点検してもよい。

NG
ディスクロータ切削または交換
OK

手順9ダイアグノーシスコード再確認

SST09991-70201  

  1. SST(TaSCAN)を使用して、ダイアグノーシスコードを消去する。(要領は参照)
  2. フリーズフレームデータまたは問診による不具合発生状況での制動テストを繰り返し行う。
  3. ダイアグノーシスコードを再確認する。(要領は参照)

    結果
    結果
    飛び先
    正常
    A
    C1214/62出力
    B
    □ 参 考 □正常復帰した場合、コネクター端子接触不良によりダイアグノーシスコードを記憶したと考えられる。(コネクター端子の点検、修理は参照)

B
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダ ツキ)交換 (要領は  参照)
A
不具合再現テスト実施 (要領は  参照)  
DTC C1214/62 油圧系異常 トヨタ

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