DTC P0AA6-611 高電圧系絶縁異常 ハイエースワゴン クラウン

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ヒータ&エアコンディショナシステムの高電圧系で絶縁不良が発生した場合に、ダイアグコードを出力する。

要因としてはモータツキコンプレッサASSYの絶縁不良、もしくは冷媒サイクル内にND-OIL 11以外のオイル混入による絶縁不良が発生した場合が考えられる。

□ 参 考 □モータツキコンプレッサASSYには高電圧で駆動されるモータが内蔵されており、このモータ自体は冷媒により直接冷却されている。そのため、通常のコンプレッサオイル(ND-OIL 8)では漏電してしまうので、絶縁性の高いコンプレッサオイル(ND-OIL 11)を使用している。
■ 注 意 ■

  1. 冷媒サイクル内にND-OIL 11以外のオイルが少量でも使用(混入)すると、電気絶縁性が極端に低下してダイアグコードを出力する場合がある。
  2. ND-OIL 11以外のオイルが大量に混入した場合は冷媒サイクル関係部品(クーラエバポレータNo.1、クーラコンデンサASSY、モータツキコンプレッサASSY、クーラエキスパンションバルブ、配管)を交換しないと電気絶縁性が回復できず、再度ダイアグコードを出力する可能性がある。
ダイアグコード検出条件
診断条件
異常状態
異常期間
不具合箇所
P0AA6-611なし
エアコンシステム内高電圧系の絶縁不良
-
ND-OIL 11以外のオイル混入履歴確認
エアサイクル内の絶縁確認
モータツキコンプレッサASSY

回路図

E188317J01

点検手順

■ 警 告 ■

  1. P0AA6のトラブルシュートを行う際は、必ず工具にビニールテープを巻いて使用する。(工具を介して高電圧がアースに落ちると、ショートして大変危険である。)
  2. 高電圧系統の作業を行う場合は、IG OFFにする。また、高電圧系統の点検または、インバータASSY(コンバータツキ)の低圧コネクターを切り離す作業を行う場合は、絶縁手袋の着用ならびサービスプラググリップの取りはずしなど感電防止措置を確実に実施する。また、取りはずしたサービスプラググリップは、作業中に他のエンジニアが誤って取り付けることがないようにポケットに入れて携帯する。(要領は参照)
  3. サービスプラググリップを取りはずしてから高電圧のコネクターおよび端子に触れるまでに10分間の時間を確保する。

■ 注 意 ■

  1. HDDナビゲーションシステムはIG OFF後、各種メモリーおよび設定の記憶などを行う。このため、必ずIG OFF後、以下の時間が経過してからバッテリーマイナスターミナルを切り離す。

    バッテリーマイナスターミナル切り離し時の待ち時間 機器構成
    待ち時間
    テレマティクストランシーバなし(G-BOOK加入、G-BOOK未加入)
    1 分
    テレマティクストランシーバあり(G-BOOK未加入)
    1 分
    テレマティクストランシーバあり(G-BOOK加入)
    6 分
  2. HDDナビゲーションシステムはIG OFF後に、各種メモリーおよび設定などを記憶するため、必ずIG OFF後に一定時間経過してから補機バッテリーマイナスターミナルを切り離す。(一定時間はG-Linkに加入している場合は6分間、未加入の場合は1分間経過させる。)(要領は参照)
  3. 補機バッテリーマイナスターミナルを切り離すと、メモリーが消去されるシステムがあるため、作業前に各システムのメモリー内容を記録し、作業後再セットする。
  4. ハイブリッドコントロールシステムとヒータ&エアコンディショナーシステムでは、それぞれ別でダイアグコードを出力しており、ダイアグコードが同時に出力された場合は、先にハイブリッドコントロールシステムのフローチャートに従って点検を行う。
  5. この回路は、CAN通信システムを使用している。まず始めに[トラブルシュートの進め方]に従い[通信機能点検]を行ない、通信系統に異常のないことを確認してからトラブルシューティングを進める。

□ 参 考 □

  1. 10分間とは、インバータASSY(コンバータツキ)内の高電圧コンデンサが放電するための時間である。
  2. メガオームテスターを使用して絶縁抵抗を点検する際は500Vレンジを使用する。

手順1コンプレッサオイル確認
  1. 過去にND-OIL 11以外のコンプレッサオイル(ND-OIL 8等)を使用したことがないか確認する。
    □ 参 考 □
    1. 冷媒サイクル内にND-OIL 11以外のオイルが少量でも使用(混入)されていると、電気絶縁性が極端に低下してダイアグコードを出力する場合がある。
    2. ND-OIL 11以外のオイルが混入した場合のオイル洗浄交換は、電気絶縁性が回復できず、再度ダイアグコードを出力する可能性がある。

NG
エアコン冷却サイクル総取替え
OK

手順2ダイアグコード消去

SST09991-70201  

  1. SST(TaSCAN)を使用して、“ダイアグコード”を選択して、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)
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手順3モータツキ コンプレッサASSY単体点検

■ 警 告 ■絶縁手袋を着用して作業を行う。

  1. 点検前準備
    1. READY ONにする。
    2. ブロワファンスイッチHI、温度設定MAX COLD、A/CスイッチONの状態を3分間行う。
  1. 抵抗点検
    1. IG OFFにして、サービスプラググリップを取りはずす。(要領は参照)
      ■ 注 意 ■
      1. サービスプラググリップを取りはずした状態でREADY ONにすると、不具合が発生する可能性があるため絶対にREADY ONを行わない。
      2. コネクターを切り離したままIG ONにすると他のダイアグコードを記憶するため、点検後ダイアグコードを消去する。
    2. モータツキコンプレッサASSYのコネクターBを切り離す。
    3. メガオームテスター(500Vレンジ)を使用して、コネクター各端子間の抵抗T値を測定する。
      ■ 警 告 ■この点検を行う際は必ずメガオームテスターを500Vレンジにセットする。500Vより高いレンジを使用すると点検中に部品が損傷する恐れがある。抵抗値点検端子
      (端子記号)
      点検条件
      基準値
      B1(PE) - コンプレッサボデー(アース)
      常時
      2MΩ以上
      B2(PB) - コンプレッサボデー(アース)
      常時
      2MΩ以上

NG
モータツキ コンプレッサASSY交換 (要領は  参照)
OK

手順4エアコンサイクル内絶縁点検

■ 警 告 ■絶縁手袋を着用して作業を行う。

  1. モータツキコンプレッサASSYのコネクターBを接続する。
  2. サービスプラググリップを接続する。(要領は参照)
  3. READY ONにする。
  4. A/C設定温度を25°C、ブロワファンスイッチをLOに設定し、10分間コンプレッサを作動して冷媒と一緒に冷媒サイクルを循環することで、各機能部品に残存しているコンプレッサーオイルをできるだけコンプレッサに回収する。
  5. スポットクーラー等で、30分間直接モータツキコンプレッサASSYを冷却する。または、車両を一晩放置する。
    ■ 注 意 ■点検を行うまでの間、コンプレッサを絶対に作動させない。
  6. IG OFFにして、サービスプラググリップを取りはずす。(要領は参照)
    ■ 注 意 ■
    1. サービスプラググリップを取りはずした状態で、READY ONにすると、不具合が発生する可能性があるため、絶対にREADY ONにしない。
    2. コネクターを切り離したままIG ONにすると他のダイアグコードを記憶するため、点検後ダイアグコードを消去する。
  7. モータツキコンプレッサASSYのコネクターBを切り離す。
  1. メガオームテスター(500Vレンジ)を使用して、コネクター各端子間の抵抗値を測定する。
    ■ 警 告 ■この点検を行う際は必ずメガオームテスターを500Vレンジにセットする。500Vより高いレンジを使用すると点検中に部品が損傷する恐れがある。抵抗値点検端子
    (端子記号)
    点検条件
    基準値
    B1(PE) - コンプレッサボデー(アース)
    常時
    3Ω以上
    B2(PB) - コンプレッサボデー(アース)
    常時
    3MΩ以上
    ■ 注 意 ■点検結果がNGの場合、冷媒サイクル内にND-OIL 11以外のオイルが混入したと考えられる。オイルの洗浄交換では電気絶縁性が回復できないので、冷却サイクル関係部品(クーラエバポレータNo.1、クーラコンデンサASSY、モータツキコンプレッサASSY、クーラエキスパンションバルブ、配管)すべてを交換する。

NG
エアコン冷却サイクル総取替え
OK
モータツキ コンプレッサASSY交換 (要領は  参照)  
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