DTC P0133/21 フロントO2センサ応答性 ハイゼットトラック ミライ一ス コペン ムーヴ アトレーワゴン
回路説明
排気ガス中のCO、HC、NOxを効率良く浄化できるよう三元触媒が使用されている。この三元触媒は理論空燃比付近で最も効率的に機能する。このため理論空燃比付近でエンジンを正確に制御しなければCO、HC、NOxを効率良く浄化することができない。オキシジェンセンサはこの制御を目的として取り付けられている。オキシジェンセンサは理論空燃比付近で正常な燃焼が行なわれたときに排出される排気ガス内の酸素濃度を検出すると、その出力電圧が突然変化するという特徴を利用し、空燃比制御を正確に行えるようフューエルインジェクションコンピュータに信号を送っている。空燃比が薄くなると、排気ガス中の酸素濃度が増えて、オキシジェンセンサはフューエルインジェクションコンピュータに空燃比が薄い状態であるという情報を送る。(小電圧起動:<0.45 V)空燃比が濃くなると、排気ガス中の酸素濃度が少なくなり、オキシジェンセンサはフューエルインジェクションコンピュータに空燃比が濃い状態であると情報を送る。(大電圧起動:>0.45 V)
フューエルインジェクションコンピュータは、オキシジェンセンサの起電力信号により空燃比が濃いか薄いかを判断し、噴射量の補正を行う。オキシジェンセンサの性能が劣化してくると、オキシジェンセンサ電圧値、電圧振幅および電圧変化周期が変化し、フューエルインジェクションコンピュータへ正しい信号が送られず、燃料噴射量を適正な量に制御できなくなる。また、吸気系統、燃料系統、点火系統に異常が発生しているときもオキシジェンセンサの正常な作動が出来ず、触媒を効率良く稼動することが出来なくなる。フューエルインジェクションコンピュータは、この電圧値の変化値および周期を常に監視し、オキシジェンセンサの劣化状態を判断している。
ダイアグコード | P0133/21 |
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DTC検出条件 | 診断条件 | 以下の条件が全て揃った時 車速が45 to 70 km/h エンジン回転数が1200 to 2200 rpm 吸気管圧力が35 to 98 kPa |
異常状態 | オキシジェンセンサ出力のリーン ←→ リッチの切り替え時間が約30秒以上 |
異常期間 | - |
トリップ数 | 2トリップ |
検出方法 | 常時モニター |
検出に使用するセンサ/構成部品 | オキシジェンセンサ |
不具合箇所 | オキシジェンセンサ インテークシステム 排気系統ガス漏れ フューエルシステム イグニッションシステム チャコールキャニスタASSY フューエルインジェクタASSY ワイヤハーネスまたはコネクター フューエルインジェクションコンピュータ |
□ 参 考 □
- GTSを使用して、[FrO2センサ出力電圧]をデータモニタ画面より確認する。[FrO2センサ出力電圧]が0.02 V以下の状態が継続するようであれば、オキシジェンセンサ信号系統回路が断線している可能性がある。
- オキシジェンセンサの出力電圧と空燃比フィードバック(O2センサ信号)は、GTSを使用することにより読み取ることができる。
機能説明
確認走行を行う事により、ダイアグコードの再現確認をすることができる。
■ 警 告 ■
- この走行テストを行う時は、制限速度等の道路交通法を守って実施すること。
- この走行テストを確実に行わないと正確な不具合検出が不可能になる。
- DLC3にGTSを接続する。
- IG ONにする。
- GTSをONにする。
- GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。
- IG OFFにして、10秒以上待機する。
- IG ONにする。
- GTSをONにする。
- エンジンを始動させ、暖機する。
- 車両を45 to 70 km/hで30秒以上運転する。
- 車両を停止させて、アイドリングを行う。
- GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。
回路図
回路図は参照
点検手順
■ 注 意 ■キーフリーシステム装着車のフューエルインジェクションコンピュータを交換する場合は、他の車からの流用をせず、必ず新品部品を用いる事。
□ 参 考 □GTSを使用して、フリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部を記録してあり、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。
- DLC3にGTSを接続する。
- IG ONにする。
- GTSをONにする。
- GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)
結果 | 飛び先 |
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P0133/21が出力される | A |
P0133/21以外にも、ダイアグコードが出力される | B |
□ 参 考 □ダイアグコードP0133/21以外のダイアグコードが出力された場合は、そのダイアグコードを先にトラブルシュートすること。
A | |
| |
手順2 | GTSデータ読み取り(FrO2センサ出力電圧) |
- DLC3にGTSを接続する。
- IG ONにする。
- GTSをONにする。
- エンジンを始動し、オキシジェンセンサがフィードバック開始できる温度になるまで暖機する。
- GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。:パワートレイン / エンジン / データモニタ / FrO2センサ出力電圧
- GTSの画面をグラフ表示にする。
- 約90秒間2500 rpmで、オキシジェンセンサを暖機する。
- アイドル回転時のFrO2センサ出力電圧の数値を読み取る。
基準0.3 V以下と0.6 V以上の電圧が定期的に出力される(信号周期1.5秒未満)
結果
A | |
| |
- オキシジェンセンサの単体点検を実施する。(要領は参照)
OK | |
| |
- 吸気系の各部(ホース類の外れ、ガスケットからのエアー吸い込み)よりエアーの吸い込みがないことを確認する。(要領は参照)
基準エアーの吸い込みがない
NG | インテークシステム修理または交換 |
|
OK | |
| |
- 排気管のつなぎ目および各センサの取り付け部から排気漏れがないことを確認する。
基準排気ガス漏れをしていない
NG | 排気ガス漏れ修理 |
|
OK | |
| |
手順6 | ワイヤハーネスおよびコネクター点検(フューエルインジェクションコンピュータ - オキシジェンセンサ) |
□ 参 考 □ワイヤハーネスおよびコネクターの点検要領および注意事項は参照。
- オキシジェンセンサのコネクターを切り離す。
- フューエルインジェクションコンピュータのコネクターを切り離す。
- 各端子間の抵抗を測定する。(端子配列は参照)
抵抗値
点検端子
点検条件
基準値
C28-5(OXH1) - C9-1(HTR-)
常時
1 Ω未満
C28-11(OX) - C9-3(+)
常時
1 Ω未満
C28-33(E2) - C9-4(E)
常時
1 Ω未満
C28-5(OXH1)およびC9-1(HTR-) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
C28-11(OX)およびC9-3(+) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
C28-33(E2)およびC9-4(E) - 他の端子間およびボデーアース間
常時
10 kΩ以上
NG | ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換 |
|
OK | |
| |
- チャコールキャニスタASSYの車上点検を実施する。(要領は参照)
OK | |
| |
- フューエルインジェクタASSYの単体点検を実施する。(要領は参照)
OK | |
| |
- フューエルシステムの点検を実施する。(要領は参照)
NG | フューエルシステム修理または交換 |
|
OK | |
| |
- イグニッションシステムの点検を実施する。(要領は参照)
NG | イグニッションシステム修理または交換 |
|
OK | |
| |
- DLC3にGTSを接続する。
- IG ONにする。
- GTSをONにする。
- GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)
- IG OFFにして、10秒以上待機する。
次へ | |
| |
- 走行テストを行う。(機能説明の確認走行を参照)
- GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)
結果
結果 | 飛び先 |
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P0133/21が出力される | A |
ダイアグコードが出力されない | B |
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