DTC   P282B/77   SLSソレノイドフェイル タント ムーヴ

アトレーワゴン ハイゼットトラック ミライ一ス DTC   P282B/77   SLSソレノイドフェイル 

機能説明

トランスミッションコントロールコンピュータASSYは信号によりソレノイドSLSの制御を行い、入力トルクに応じたベルト挟圧力の制御を行っている。また前後進クラッチ係合時にはライン圧も制御する。

DTC NO.
SAE/TCCS
DTC検出条件
診断条件
異常状態
異常期間
その他
点検部位
P282B/77IG ON
ソレノイドSLS回路の短絡または断線
10回以上連続して検出
1トリップ
ワイヤハーネスおよびコネクター
トランスミッションバルブボデーASSY (ソレノイドSLS)
トランスミッションワイヤ
トランスミッションコントロールコンピュータASSY

回路図

C262369J01

□ 参 考 □トランスミッションコントロールコンピュータASSY電源系回路図は参照。

点検手順

手順1GTSデータ読み取り(油圧センサ値)

■ 注 意 ■

  1. 必ずエンジンの点検および調整を行った後に実施する。
  2. 完全暖機状態のCVT油温(70 to 90°C)で行う。
  3. エアコンはOFF状態で行う。
  4. 5秒以上連続して行わない。
  1. GTSをDLC3に接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSの画面表示に従ってダイアグコードを消去する。
  4. IG OFFにして、10秒以上保持する。
  5. エンジンを始動する。
  6. GTSに従って、[アクティブテスト]→[ベルト狭圧·ライン圧]を選択し、 [データモニタ] → [油圧センサ値]および[エンジン回転数] を表示 する。
  7. アクティブテストを実行し、アイドル回転数(Pポジションかつ[ベルト挟圧·ライン圧]OFF時)および、アクセル操作により十分にオイルポンプの回転数を上げた状態(Pポジションかつ[ベルト挟圧·ライン圧]ON時)における油圧を点検する。

    [診断メニュー画面:パワートレイン→CVT→アクティブテスト] 項目名
    テスト内容
    制約事項
    ベルト挟圧·ライン圧
    SLSソレノイドをOFF(低圧状態)からON(高圧状態)させて ベルト挟圧を強制的に上昇させる
    (駆動電流0.9 → 0.4A)
    PまたはNポジションでエンジン回転中かつ車速0km/hにて可能

    [診断メニュー画面:パワートレイン→CVT→データモニタ] 項目名
    項目説明
    表示範囲
    標準値
    備考
    (異常時の点検項目)
    エンジン回転数
    エンジン回転数を表す
    表示範囲:0 to 25599
    IG ON エンジン停止時: 0
    1. 異常時はフューエルイ ンジェクションコンピュータとの通信線の異常が考えられる
    2. 異常時はフューエルイ ンジェクションコンピュータのNE信号系統の異常が考えられる
    エンジン回転数一定時: 大きな変動がない
    油圧センサ値
    CVT油圧を表す
    表示範囲:0.00 to 10.20 MPa
    0.10 to 1.00 MPa:
    Pポジション、アイドル回転時
    -
    4.00 to 5.00 MPa:
    Pポジション、エンジン一定回転時*
    (アクティブテスト: ベルト挟圧·ライン圧実行中)

□ 参 考 □*: 3100 to 3700 rpm

結果飛び先
データモニタの[油圧センサ値]が標準値内A
データモニタの[油圧センサ値]が標準値外B

■ 注 意 ■フェイルセーフ制御により異常が継続していると誤判定する可能性があるため、ダイアグコード消去後、IG OFF状態を10秒以上継続してIG ONしアクティブテストを実施すること。


B
手順 2 へ
A
常時発生しない問題の点検 (要領は  参照)  

手順2トランスミッション ワイヤ点検(ソレノイドSLS)
  1. トランスミッションワイヤのコネクターケース、端子に変形、破損がないことを確認する。
  1. トランスミッションワイヤのコネクターC23を切り離す。
  2. 下表に従って、抵抗を測定する。
    抵抗値(断線点検)点検端子
    点検条件
    基準値
    C23-6 - C23-10
    20°C
    5.0 to 5.6 Ω
    抵抗値(短絡点検)点検端子
    点検条件
    基準値
    C23-6 - 他の端子間およびボデーアース
    常時
    10 kΩ以上
    C23-10 - 他の端子間およびボデーアース
    常時
    10 kΩ以上
    イラスト内指示文字 *a
    コネクター非接続状態
    (トランスミッション ワイヤ(ソレノイドSLS))
  3. トランスミッションワイヤのコネクターC23を接続する。

NG
手順 8 へ
OK

手順3ワイヤハーネスおよびコネクター点検(トランスミッション ワイヤ - トランスミッションコントロール コンピュータASSY)

□ 参 考 □点検要領および注意事項は参照。

  1. トランスミッションコントロールコンピュータASSYのコネクターC29を切り離す。
  2. 下表に従って、抵抗を測定する。(端子配列は参照)
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    C29-4 (SLT+) - C29-3 (SLT-)
    20°C
    5.0 to 5.6 Ω
    C29-4 (SLT+) - 他の端子間およびボデーアース
    常時
    10 kΩ以上
    C29-3 (SLT-) - ボデーアース他の端子間およびボデーアース
    常時
    10 kΩ以上
  3. トランスミッションコントロールコンピュータASSYのコネクターC29を接続する。

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順4トランスミッションコントロール コンピュータASSY点検(電源およびアース回路)

□ 参 考 □トランスミッションコントロールコンピュータASSY電源系回路図は参照。

  1. トランスミッションコントロールコンピュータASSY のコネクター接続状態を確認する。
  2. トランスミッションコントロールコンピュータASSY のコネクターB25を切り離す。
  3. 下表に従って、電圧を測定する。(端子配列は参照)
    電圧値点検端子
    点検条件
    基準値
    B25-7 (BIN) - ボデーアース
    常時
    11 to 14 V
    B25-3 (+B) - ボデーアース
    IG ON
    11 to 14 V
    B25-32 (ACC) - ボデーアース
    ACC ON
    11 to 14 V
  4. 下表に従って、抵抗を測定する。(端子配列は参照)
    抵抗値(断線点検)点検端子
    点検条件
    基準値
    B25-14 (E1) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
    B25-2 (E01) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
    B25-1 (EBBC) - ボデーアース
    常時
    1 Ω未満
  5. トランスミッションコントロールコンピュータASSY のコネクターB25を接続する。

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順5トランスミッションコントロール コンピュータASSY交換
  1. トランスミッションコントロールコンピュータASSY交換。(要領は参照)
次へ

手順6GTS(ストップ&スタートシステム初期学習)

■ 注 意 ■トランスミッションコントロールコンピュータASSYを交換した場合、ストップ&スタートシステムの初期学習を実施する。

  1. GTSを使用して、ストップ&スタートシステム初期学習をおこなう。(要領は参照)
次へ

手順7GTS(CVT学習値初期化、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習)

■ 注 意 ■

  1. 学習値の初期化を行うと、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習の両方の学習値がクリアされてしまうため、下記の表にある部品交換時には、CVT学習値初期化を行った後、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習の両方を必ず実施する。
    交換部品
    1. コンティニュアスリバリアブル トランスアクスルASSY
    2. トランスミッションコントロールコンピュータASSY
    3. トランスミッション バルブ ボデーASSY
    4. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.4(DS1ソレノイド)
    5. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.4(DS2ソレノイド)
    6. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.1(DSUソレノイド)
    7. オイルプレッシャセンサ
  1. GTSを使用して、CVT学習値初期化、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習をおこなう。(要領は参照)
  2. 再度ダイアグコードの確認をおこなう。(要領は参照)
次へ
終了 

手順8トランスミッション バルブ ボデーASSY単体点検(ソレノイドSLS)
  1. トランスミッションバルブボデーASSYを取りはずす。
  1. トランスミッションバルブボデーASSY (ソレノイドSLS)のコネクターを切り離す。
  2. 下表に従って、抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    1端子 - 2端子
    20°C
    5.0 to 5.6 Ω
*aコネクター非接続状態
(トランスミッション バルブ ボデーASSY (ソレノイドSLS))

NG
手順 9 へ
OK
トランスミッション ワイヤ交換 (要領は  参照)  

手順9トランスミッション バルブ ボデーASSY交換
  1. トランスミッションバルブボデーASSY交換。(要領は参照)
次へ

手順10GTS(CVT学習値初期化、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習)

■ 注 意 ■

  1. 学習値の初期化を行うと、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習の両方の学習値がクリアされてしまうため、下記の表にある部品交換時には、CVT学習値初期化を行った後、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習の両方を必ず実施する。
    交換部品
    1. コンティニュアスリバリアブル トランスアクスルASSY
    2. トランスミッションコントロールコンピュータASSY
    3. トランスミッション バルブ ボデーASSY
    4. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.4(DS1ソレノイド)
    5. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.4(DS2ソレノイド)
    6. トランスミッション3 ウエイ ソレノイドASSY NO.1(DSUソレノイド)
    7. オイルプレッシャセンサ
  1. GTSを使用して、CVT学習値初期化、CVT油圧センサ0点学習およびベルト挟圧学習をおこなう。(要領は参照)
  2. 再度ダイアグコードの確認をおこなう。(要領は参照)
次へ
終了 
DTC   P282B/77   SLSソレノイドフェイル

HOME

自動車の故障や修理方法、交換方法等に役立つ情報 参考資料は,サービスマニュアル 整備書 修理書 配線図 回路図等です。 トヨタ(TOYOTA) レクサス(LEXUS) ニッサン(N…

自動車修理事例