CAN通信システム CANバス+Bショート点検 タント ムーヴ

ダイハツ ハイゼットトラック ミライ一ス アトレーワゴン CAN通信システム CANバス+Bショート点検 タント ムーヴ

DLC3の6(CANH)、14(CANL)←→16(BAT)間に導通がある場合は、CANバスの+Bショートが考えられる。

症状疑わしい箇所
DLC3の6(CANH)、14(CANL)←→16(BAT)間に導通があるCANバス本線の+Bショート
CANバス支線の+Bショート
フューエルインジェクションコンピュータ
ブレーキ アクチュエータASSY
コンビネーションメータASSY
トランスミッションコントロールコンピュータASSY
ヒータコントロールASSY*1
パワーステアリングコンピュータASSY
ステアリングポジションセンサ*2
ヨーレートセンサ*2
用品バスバッファ
ワイヤリングハーネスコネクター(CAN J/C 1)

*1: オートマチックエアコンディショニングシステム付き車

*2: VSCあり

回路図

C264147J02
C264148J01

点検手順

■ 注 意 ■

  1. CANバスの抵抗値を測定する場合はIG OFF後、キー操作、スイッチ操作、ドア開閉をせずに1分以上放置してからバッテリを切り離し、再度1分以上経過してから抵抗値を測定する。
  2. CAN通信系のダイアグコードが出力している場合は必ず「トラブルシュートの進め方」からトラブルシュートを行う。(要領は参照)
  3. 修理完了後、DTC確認手順を実行して、DTCが出力されていないかを確認する。
    DTC確認手順:IG ONにして60秒以上待機し、その後車速が60km/h以上で1秒以上走行。
  4. 修理完了後、バス診断を行い、CAN通信に接続されているECUおよびセンサが全て表示されていることを確認する。(要領は参照)
  5. IG OFF後、バッテリターミナルを切り離す前に待ち時間が発生する場合がある。このため作業前にバッテリ端子切り離し時の注意事項を確認する。(要領は参照)

□ 参 考 □

  1. 各コネクターを点検する際、コネクターを切り離す前にコネクターケースを接続方向に押し、かん合のゆるみ、抜けが発生していないことを確認する。
  2. コネクターを切り離した際、コネクター端子およびコネクターケースに破損、変形、腐食などがないことを確認する。

手順1CANバス+Bショート点検(CAN J/C 1)
  1. バッテリマイナスターミナルを切り離し、ワイヤリングハーネスコネクター(CAN J/C 1)の車両ハーネスコネクターB37を切り離す。
    C243564J04

    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    ワイヤリングハーネスコネクター(CAN J/C 1)
    *b
    ヨーレートセンサへ*2
    *c
    パワーステアリングコンピュータASSYへ
    *d
    用品バスバッファへ
    *e
    ステアリングポジションセンサへ*2
    *f
    トランスミッションコントロールコンピュータASSYへ
    *g
    ヒータコントロールASSYへ*1
    *h
    コンビネーションメータASSYへ
    *i
    フューエルインジェクションコンピュータへ
    *j
    DLC3へ
    *1: オートマチックエアコンディショニングシステム付き車
    *2: VSCあり
  2. 下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    接続先
    B37-1(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    ヨーレートセンサ*2
    B37-12(CANL) - +B
    B37-2(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    パワーステアリングコンピュータASSY
    B37-13(CANL) - +B
    B37-3(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    用品バスバッファ
    B37-14(CANL) - +B
    B37-5(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    ステアリングポジションセンサ*2
    B37-16(CANL) - +B
    B37-6(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    トランスミッションコントロールコンピュータASSY
    B37-17(CANL) - +B
    B37-8(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    ヒータコントロールASSY*1
    B37-19(CANL) - +B
    B37-9(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    コンビネーションメータASSY
    B37-20(CANL) - +B
    B37-10(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    フューエルインジェクション コンピュータ
    B37-21(CANL) - +B
    B37-11(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    DLC3
    B37-22(CANL) - +B
    *1: オートマチックエアコンディショニングシステム付き車
    *2: VSCあり
    基準結果
    飛び先
    OK(接続線に+Bショートなし)
    A
    NG(フューエルインジェクション コンピュータ接続本線に+Bショートあり)
    B
    NG(ヒータコントロールASSY接続支線に+Bショートあり)
    C
    NG(DLC3接続支線または用品バスバッファ接続支線に+Bショートあり)
    D
    NG(ECU、センサ接続線に+Bショートあり)
    E

B
手順 2 へ

C
手順 5 へ

D
CANバス支線またはコネクター修理または交換(DLC3支線、用品バスバッファ支線)

E
手順 8 へ
A
ワイヤリングハーネスコネクター交換(CAN J/C 1) 

手順2CANバス+Bショート点検(フューエルインジェクションコンピュータ - CAN J/ C 1)
  1. フューエルインジェクションコンピュータの車両ハーネスコネクターB12を切り離す。
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (フューエルインジェクションコンピュータ)
  2. 下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    B12-2(HCAN) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    B12-1(LCAN) - +B

NG
CANバス本線またはコネクター修理または交換(フューエルインジェクションコンピュータ - CAN J/C 1)
OK

手順3CANバス+Bショート点検(フューエルインジェクションコンピュータ - ブレーキアクチュエータASSY)
  1. フューエルインジェクションコンピュータの車両ハーネスコネクターA12を切り離す。
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (フューエルインジェクションコンピュータ)
  2. 下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    A12-7(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    A12-6(CANL) - +B

NG
手順 4 へ
OK
フューエルインジェクション コンピュータ交換 (要領は  参照)  

手順4CANバス+Bショート点検(ブレーキアクチュエータASSY - フューエルインジェクションコンピュータ)
  1. ブレーキアクチュエータASSYの車両ハーネスコネクターA1を切り離す。
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (ブレーキ アクチュエータASSY)
  2. 下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    A1-25(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    A1-14(CANL) - +B

NG
CANバス支線またはコネクター修理または交換(ブレーキアクチュエータASSY - フューエルインジェクションコンピュータ)
OK
ブレーキ アクチュエータASSY交換 (要領は  参照)  

手順5CANバス+Bショート点検(ヒューズブロックASSY - CAN J/C 1)
  1. ヒューズブロックASSYの車両ハーネスコネクター2Hを切り離す。
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (ヒューズブロックASSY)
  2. 下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    2H-5(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    2H-14(CANL) - +B

NG
CANバス支線またはコネクター修理または交換(ヒューズブロックASSY - CAN J/C 1)
OK

手順6CANバス+Bショート点検(ヒューズブロックASSY - ヒータコントロールASSY)
  1. ヒューズブロックASSYの車両ハーネスコネクター2Fを切り離す。
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (ヒューズブロックASSY)
  2. 下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    2F-4(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    2F-12(CANL) - +B

NG
手順 7 へ
OK
ヒューズ ブロックASSY交換 (要領は  参照)  

手順7CANバス+Bショート点検(ヒータコントロールASSY - ヒューズブロックASSY)
  1. ヒータコントロールASSYの車両ハーネスコネクターP1を切り離す。
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (ヒータコントロールASSY)
  2. 下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    P1-13(CANH) - +B
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    P1-14(CANL) - +B

NG
CANバス支線またはコネクター修理または交換(ヒータコントロールASSY - ヒューズブロックASSY)
OK
ヒータ コントロールASSY交換 (要領は  参照)  

手順8CANバス+Bショート点検(ECU、センサ接続線)

SST09843-18040  

  1. ワイヤリングハーネスコネクター(CAN J/C 1)の車両ハーネスコネクターB37を接続する。
  2. +Bショートが確認されたコネクターに該当するECU、センサのCANH、CANL端子を含むコネクターをECU、センサ側で切り離す。(ECU端子配列参照)
  1. SSTを使用し、下表に従って抵抗を測定する。
    抵抗値点検端子
    点検条件
    基準値
    B13-6(CANH) - B13-16(BAT)
    バッテリマイナスターミナル切り離し
    6 kΩ以上
    B13-14(CANL) - B13-16(BAT)
    イラスト内指示文字 *1
    DLC3
    □ 参 考 □
    1. ECU、センサ切り離しにより正常値に復帰した場合は、ECU、センサの内部ショートが考えられる。
    2. ECU、センサ切り離しても正常値に復帰しない場合は、+Bショートを確認したワイヤハーネス、コネクターを修理または交換する。

NG
該当ワイヤハーネス修理または交換
OK
該当ECU、センサ交換 
CAN通信システム    CANバス+Bショート点検

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