DTC C1235/C1236/C1238/C1239 FR車輪速周期系異常

ABS連続作動異常 タント ムーヴ アトレーワゴン ハイゼットトラック ミライ一ス 

スピードセンサ先端、センサロータへの異物付着およびロータ歯欠けを検出した場合にこれらのダイアグノーシスコードを出力する

スキッドコントロールコンピュータ(ブレーキアクチュエータASSY)は、異物付着を各スピードセンサから入力される波形の異常により判断する

スピードセンサ回路のコネクターおよびワイヤハーネスの不具合により、このダイアグノーシスコードを検出する場合がある

車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のダイアグノーシスコードとスピードセンサ系統異常のダイアグノーシスコード(C0200/21、C0205/22、C0210/23およびC0215/24)が同時に出力している場合はスピードセンサ系統異常のトラブルシュートを先に行う

ダイアグコード検出条件不具合箇所
C1235/25
C1236/26
C1238/27
C1239/28
ソレノイド非駆動かつ車速15km/h以上で、車輪加速度の変動が51.2G以上になった後にスピードセンサの無パルス状態を7回検出
+IG端子電圧10 to 16V以上で、以下のすべてが成立し、非対象車輪速が15km/h以上のときに対象輪の無パルス状態が一定時間継続
ソレノイド非駆動
該当輪が断線異常を検出していない
該当輪が電源電圧異常を検出していない
+IG端子電圧10 to 16V以上で、以下のすべてが成立し、ストップランプスイッチOFFで1輪が0km/hのときに他の3輪の速度差が2km/h未満の状態が継続
ソレノイド非駆動
車速10km/h以上
該当輪が断線異常を検出していない
該当輪が電源電圧異常を検出していない
+IG端子電圧10 to 16V以上で、以下のすべてが成立し、車輪速変動値が51.2G以上の状態を5秒以内に75回検出
ソレノイド非駆動
該当輪が断線異常を検出していない
該当輪が電源電圧異常を検出していない
+IG端子電圧10 to 16V以上で、以下のすべてが成立し、センサロータの鉄粉付着状態が15秒以上継続
車速10km/h以上
該当輪が断線異常を検出していない
該当輪が電源電圧異常を検出していない
ABS作動が45秒以上継続
センサロータ異常(異物付着、歯欠け)
スピードセンサへの異物付着
スピードセンサの断線またはショート
ワイヤハーネスの断線またはショート
コネクターの接圧不良、端子の変形、腐食
スピードセンサ回路の配線抵抗
スキッドコントロールコンピュータ(ブレーキアクチュエータASSY)

回路図

回路図はおよび参照

点検手順

■ 注 意 ■スキッドコントロールコンピュータ(ブレーキアクチュエータASSY)交換後は、テストモード点検を実施する (要領は参照)

手順1ダイアグノーシスコード出力確認
  1. GTSを使用して、ダイアグノーシスコードを確認する (要領は参照)
    □ 参 考 □車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のダイアグノーシスコードとスピードセンサ系統異常のダイアグノーシスコード(C0200/21、C0205/22、C0210/23およびC0215/24)が同時に出力している場合はスピードセンサ系統異常のトラブルシュートを先に行う
    結果 結果
    飛び先
    車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のコード出力(リヤ2WD)
    A
    車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のコード出力(フロント、リヤ4WD)
    B
    スピードセンサ系統異常のコードが同時に出力
    C

B
手順 8 へ

C
該当ダイアグノーシスコードへ (要領は  参照)
A

手順2スピードセンサワイヤ点検
  1. コネクターにかん合のゆるみ、抜けなどの不具合がないことを点検する
    基準不具合がない
  2. スピードセンサワイヤを取りはずす
  3. コネクターケースおよび端子に、変形および腐食がないことを点検する
    基準変形および腐食がない
  4. 下表に従って抵抗を測定する

    抵抗値RH 点検端子
    点検条件
    基準値
    Q1-2(+) - QM1-1(+)
    常時
    1Ω未満
    Q1-2(+) - QM1-2(-)
    常時
    10kΩ以上
    Q1-2(+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    Q1-1(-) - QM1-2(-)
    常時
    1Ω未満
    Q1-1(-) - QM1-1(+)
    常時
    10kΩ以上
    Q1-1(-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    LH 点検端子
    点検条件
    基準値
    R2-2(+) - RM1-1(+)
    常時
    1Ω未満
    R2-2(+) - RM1-2(-)
    常時
    10kΩ以上
    R2-2(+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    R2-1(-) - RM1-2(-)
    常時
    1Ω未満
    R2-1(-) - RM1-1(+)
    常時
    10kΩ以上
    R2-1(-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    イラスト内指示文字 *A
    RH
    *B
    LH
    *a
    スピードセンサワイヤ前側
    *b
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (センサ側接続コネクター)
    *c
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (車両側接続コネクター)

NG
スピードセンサワイヤ交換 (要領は  参照)
OK

手順3ワイヤハーネスおよびコネクター点検(ブレーキアクチュエータASSY - スピードセンサワイヤ)
  1. コネクターにかん合のゆるみ、抜けなどの不具合がないことを点検する
    基準不具合がない
  2. スキッドコントロールコンピュータ(ブレーキアクチュエータASSY)のコネクターA1を切り離す
  3. コネクターケースおよび端子に、変形および腐食がないことを点検する
    基準変形および腐食がない
  4. 下表に従って抵抗を測定する

    抵抗値RH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A1-17(RR+) - QM1-1(+)
    常時
    1Ω未満
    A1-17(RR+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    A1-16(RR-) - QM1-2(-)
    常時
    1Ω未満
    A1-16(RR-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    LH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A1-5(RL+) - RM1-1(+)
    常時
    1Ω未満
    A1-5(RL+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    A1-4(RL-) - RM1-2(-)
    常時
    1Ω未満
    A1-4(RL-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順4ブレーキ アクチュエータASSY点検(センサ電源出力)
  1. スキッドコントロールコンピュータ(ブレーキアクチュエータASSY)のコネクターA1を接続する
  2. 下表に従って電圧を測定する

    電圧値RH 点検端子
    点検条件
    基準値
    QM1-1(+) - ボデーアース
    IG ON
    5.7 to 14V
    LH 点検端子
    点検条件
    基準値
    RM1-1(+) - ボデーアース
    IG ON
    5.7 to 14V
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (スピードセンサワイヤ接続コネクター)
    *A
    RH
    *B
    LH

NG
ブレーキ アクチュエータASSY交換 (要領は  参照)
OK

手順5ダイアグノーシスコード再確認
  1. スピードセンサワイヤを取り付ける
  2. GTSを使用して、ダイアグノーシスコードを消去する (要領は参照)
  3. 走行テストを行う
  4. ダイアグノーシスコードを再確認する (要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のコード出力
    A
    正常
    B

B
不具合再現テスト実施 (要領は  参照)
A

手順6スピードセンサおよびセンサロータ交換
  1. 該当輪のセンサロータを交換する (要領は参照)
    □ 参 考 □2WD車のリヤセンサロータはリヤアクスルハブ&ベアリングASSYに組み込まれている 2WD車のリヤセンサロータを交換する場合、リヤスピードセンサおよびリヤアクスルハブ&ベアリングASSYごと交換する ■ 注 意 ■センサロータ交換後は、テストモード点検のセンサチェックを行う (要領は参照)
次へ

手順7ダイアグノーシスコード再確認
  1. GTSを使用して、ダイアグノーシスコードを消去する (要領は参照)
  2. 走行テストを行う
  3. ダイアグノーシスコードを再確認する (要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のコード出力
    A
    正常
    B

B
終了
A
ブレーキ アクチュエータASSY交換 (要領は  参照)  

手順8スピードセンサおよびセンサロータ点検(異物付着および歯欠け)
  1. 該当輪のスピードセンサおよびセンサロータに異物や油脂の付着および破損がないことを点検する
    基準異物や油脂の付着、破損がない
    ■ 注 意 ■
    1. 該当輪のスピードセンサに異物や油脂の付着がある場合は、該当輪のスピードセンサを清掃後、センサロータを点検する
    2. 該当輪のスピードセンサに破損がある場合は、該当輪のスピードセンサを交換する

NG
スピードセンサおよびセンサロータ清掃または交換
OK

手順9スピードセンサ ワイヤ LH点検(リヤ)
  1. コネクターにかん合のゆるみ、抜けなどの不具合がないことを点検する
    基準不具合がない
  2. スピードセンサワイヤを取りはずす (リヤLHのみ)
  3. コネクターケースおよび端子に、変形および腐食がないことを点検する
    基準変形および腐食がない
  4. 下表に従って抵抗を測定する
    抵抗値LH 点検端子
    点検条件
    基準値
    R1-2(+) - RM1-1(+)
    常時
    1Ω未満
    R1-2(+) - RM1-2(-)
    常時
    10kΩ以上
    R1-2(+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    R1-1(-) - RM1-2(-)
    常時
    1Ω未満
    R1-1(-) - RM1-1(+)
    常時
    10kΩ以上
    R1-1(-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    イラスト内指示文字 *a
    スピードセンサワイヤ前側
    *b
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (センサ側接続コネクター)
    *c
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (車両側接続コネクター)

NG
スピードセンサ ワイヤ LH交換 (要領は  参照)
OK

手順10ワイヤハーネスおよびコネクター点検(ブレーキアクチュエータASSY - スピードセンサまたはスピードセンサワイヤ)
  1. コネクターにかん合のゆるみ、抜けなどの不具合がないことを点検する
    基準不具合がない
  2. スキッドコントロールコンピュータ(ブレーキアクチュエータASSY)のコネクターA1を切り離す
  3. スピードセンサのコネクターA23またはA24を切り離す (フロントのみ)
  4. スピードセンサのコネクターM4を切り離す (リヤRHのみ)
  5. コネクターケースおよび端子に、変形および腐食がないことを点検する
    基準変形および腐食がない
  6. 下表に従って抵抗を測定する

    抵抗値フロントRH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A1-7(FR+) - A23-1(+)
    常時
    1Ω未満
    A1-7(FR+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    A1-6(FR-) - A23-2(-)
    常時
    1Ω未満
    A1-6(FR-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    フロントLH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A1-19(FL+) - A24-1(+)
    常時
    1Ω未満
    A1-19(FL+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    A1-18(FL-) - A24-2(-)
    常時
    1Ω未満
    A1-18(FL-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    リヤRH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A1-17(RR+) - M4-1(+)
    常時
    1Ω未満
    A1-17(RR+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    A1-16(RR-) - M4-2(-)
    常時
    1Ω未満
    A1-16(RR-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    リヤLH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A1-5(RL+) - RM1-1(+)
    常時
    1Ω未満
    A1-5(RL+) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上
    A1-4(RL-) - RM1-2(-)
    常時
    1Ω未満
    A1-4(RL-) - ボデーアース
    常時
    10kΩ以上

NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK

手順11ブレーキ アクチュエータASSY点検(センサ電源出力)
  1. スキッドコントロールコンピュータ(ブレーキアクチュエータASSY)のコネクターA1を接続する
  2. 下表に従って電圧を測定する

    電圧値フロントRH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A23-1(+) - ボデーアース
    IG ON
    5.7 to 14V
    フロントLH 点検端子
    点検条件
    基準値
    A24-1(+) - ボデーアース
    IG ON
    5.7 to 14V
    リヤRH 点検端子
    点検条件
    基準値
    M4-1(+) - ボデーアース
    IG ON
    5.7 to 14V
    リヤLH 点検端子
    点検条件
    基準値
    RM1-1(+) - ボデーアース
    IG ON
    5.7 to 14V
    イラスト内指示文字 *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (スピードセンサまたはスピードセンサワイヤ接続コネクター)
    *A
    フロントRH
    *B
    フロントLH
    *C
    リヤRH
    *D
    リヤLH

NG
ブレーキ アクチュエータASSY交換 (要領は  参照)
OK

手順12ダイアグノーシスコード再確認
  1. スピードセンサのコネクターA23またはA24を接続する (フロントのみ)
  2. スピードセンサワイヤを取り付ける (リヤLHのみ)
  3. スピードセンサのコネクターM4を接続する (リヤRHのみ)
  4. GTSを使用して、ダイアグノーシスコードを消去する (要領は参照)
  5. 走行テストを行う
  6. ダイアグノーシスコードを再確認する (要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のコード出力
    A
    正常
    B

B
不具合再現テスト実施 (要領は  参照)
A

手順13スピードセンサ交換
  1. 該当輪のスピードセンサを交換する (要領はまたは参照)
    ■ 注 意 ■スピードセンサ交換後は、テストモード点検のセンサチェックを行う (要領は参照)
次へ

手順14ダイアグノーシスコード再確認
  1. GTSを使用して、ダイアグノーシスコードを消去する (要領は参照)
  2. 走行テストを行う
  3. ダイアグノーシスコードを再確認する (要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のコード出力
    A
    正常
    B

B
終了
A

手順15センサロータ交換
  1. 該当輪のセンサロータを交換する (要領はまたは参照)
    □ 参 考 □
    1. フロントセンサロータはフロントアクスルハブベアリングの構成部品である
      フロントセンサロータを交換する場合、フロントアクスルハブベアリングごと交換する
    2. 4WD車のリヤセンサロータはリヤアクスルシャフトの構成部品である
      4WD車のリヤセンサロータを交換する場合、リヤアクスルシャフトごと交換する
    ■ 注 意 ■センサロータ交換後は、テストモード点検のセンサチェックを行う (要領は参照)
次へ

手順16ダイアグノーシスコード再確認
  1. GTSを使用して、ダイアグノーシスコードを消去する (要領は参照)
  2. 走行テストを行う
  3. ダイアグノーシスコードを再確認する (要領は参照)

    結果 結果
    飛び先
    車輪速周期系異常/ABS連続作動異常のコード出力
    A
    正常
    B

B
終了
A
ブレーキ アクチュエータASSY交換 (要領は  参照)  
DTC   C1235/25   FR車輪速周期系異常/ABS連続作動異常

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